最近は、「奇妙な味」を求めてライトノベルにまで手を延ばしている訳ですが、本屋で立ち読みして内容を確認する段階で、文章力につまづいて、どうにも読めない作品が多いです。とは言え、文章力が明らかにこなれている作品も時折あります。そういう作品はストーリーや設定も同様にこなれているわけで、結局才能なんでしょうかね。
さて、そういうこなれた作品のひとつ、「耳刈ネルリ」シリーズです。

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリ御入学万歳万歳万々歳 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリと奪われた七人の花婿 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリと奪われた七人の花婿 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫)

耳刈ネルリと十一人の一年十一組 (ファミ通文庫)

一人称の饒舌系文体を売りにした学園物ですが、作品からその一人称の饒舌系文体部分を抜けば、あら不思議、露文学の寄宿舎ものに早代わり。なにこれ素晴らしい。
文学作品に良くある、体制と父性に従順で内向的な主人公が寄宿舎のある学校に進学し、そこで知り合った異質な友人たちとの関わりを契機に体制にささやかな反抗を試みるも最終的には和解したり挫折したりする系の文学作品の、主人公の独白部分をすべてハイテンションでくだらない妄想に変換したら、このシリーズになります。
そう言えば、最近はてなブックマーク界隈で多少話題になっていた
ふしだらなつぶやきを繰り返してた人に天罰が下るまでの一部始終 - Togetter
これも、正にそういう感じの人ですね。こういうところって、誰にでもあると思うんですが、それを文学作品的なフォーマットと主人公に載せるってのが非常に斬新ですよね。
一番自分が面白く感じたのが、ロシア的な寄宿舎生活が地に足を着いた感じで描写されていた点です。こういう、生活の描写がある学園物ライトノベルってのが非常に意外だったので、すごいうれしい。